お盆は、8月13日から8月16日までです。新盆(初盆)は、故人が亡くなった後、初めて迎えるお盆のこといいますが、正確には亡くなってから四十九日の忌明け後、初めてのお盆のことであり、四十九日を過ぎる前にお盆が訪れる場合は、翌年のお盆が新盆(初盆)となります。
お盆やお墓参り、お葬式によく使われている花というと菊ですよね。菊の花はすごく素敵で花もちも良いので、お祝いのアレンジメントや花束に使ったりするうちの花屋。先日、「これ菊の花よね?どういうこと?」とクレームを受けたことがありましたが、よく説明をしてご理解いただけました。
鎌倉時代のはじめ後鳥羽上皇が菊の花の意匠を好み、「菊紋」を皇室の家紋としました。また、九州の豪族菊池氏(平安時代に藤原から改名)も家紋に「菊花」もしくは「菊葉」を使用している。
最初は薬用植物として伝わったもので、渡来したとき薬の専門語としてキクと呼んでいたのでそのまま国語となったものとみられている。
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菊の花言葉
ヘンリー・フィリップスが『花の歴史』(英 1824)で、中国のキクという名でキクをとりあげ、それまでにこの花の花言葉はつくられていないので、「私はこの花を逆境の中で元気というシンボルにした」と述べ、「このような祝福を受けることのできる人(この花を贈られる人)はきわめて限られているが、その事はフローラ(花の女神)の世界でもっとも厳しい月々にその美しさを持ちつづけるのと同じように、願わしいことである」と説明している。
ジョン・イングラム『花言葉』(英 1887)
中国のキクはフィリップスのつくった花言葉がそのまま載せられ、そのほかに赤いキクは「私はあなたを愛する」、白いキクは「真実」、黄色いキクは「冷遇された愛情」になっている。黄色い花は不吉なシンボルであるので「落胆」「憂鬱」とかいたものもある。
フランスの花言葉
フランスでは「困難」となっているが、「黄色いキク」の意味となっているから不吉な意味を持たせたのかもしれない。この花が冬に咲き続けることの困難に結ばれているかもしれなうが、そうだとすれば「困難に耐える」とでもしなければつじつまが合わない。
ドイツの花言葉
キクを黄金の花(Goldbiume)と呼んでいて、「ぐずぐずしないで」「ためらわないで」という意味になっている。キクの花がいつまでも咲いていることからでた意味かもしれない。
母の日の花
オーストラリアの母の日は、日本と同じ5月の第二日曜日です。日本との違いは、カーネーションではなく菊の花を贈ります。
なぜ菊の花を贈るかというと、菊の英語はChrysanthemumでイギリス英語のMummyの略、mumが入っているからだとか。
ニューヨーク植物園
機関雑誌に発表された花言葉の一覧表(1968)に「長寿と幸福」となっているのは、日本や中国のシンボルをあげたように思われる。『人類の習慣』(米 1924)に「富」と「幸福」(黄キクの黄金色に結びつけたもの)とでている。
重陽(ちょうよう)の節句
9月9日は菊の節句なんですよね。
五節句のひとつで、菊を用いて不老長寿を願う行事です。古来、奇数は縁起の良い陽数、偶数は縁起の悪い陰数と考えられており、その奇数が重なる日をお祝いしたのが五節句の始まりです。
五節句
人日(じんじつ)の節句【1月7日七草粥】 上巳(じょうし)の節句【3月3日桃の節句】 端午(たんご)の節句【5月5日菖蒲の節句】 七夕(しちせき)の節句【7月7日たなばた】 重陽(ちょうよう)の節句【9月9日菊の節句】
なお、新暦ではすべて同じ曜日になります。もちろん、11月11日ポッキーの日も。
葬儀に使われる菊
日本に入ってきて以来、好まれ、薬用にも用いられる菊。皇室の家紋にもなっています。そんな高貴な菊で最期をおくってあげたいと思うのが日本人の気持ちなのではないでしょうか。まず、葬儀を不吉だとか縁起が悪いと思うのはナンセンス。亡くなった方を極楽浄土へいってもらう最後の儀式なのです。
まとめ
菊が原因で亡くなったのではないのです。高貴な菊で最期をかざっているのです。今の日本人は死=不幸のイメージがありますが、死は悲しいけど不吉でも不幸でもないです。悲しいことに、不幸の末 亡くなってしまうケースはありますが。
そして、故人を思い出す習慣がお盆やお彼岸です。アメリカではハロウィンがあり、メキシコでは死者の日があります。楽しんでいます。
死んでしまっての1番悲しいことは、忘れられてしまう事かもしれませんね。存在がなかったことなるという事です。お盆やお彼岸をきっかけに亡くなった方を思うことは、この世に(思い出として)つれ戻してあげるという役割があります。最近、お墓参りに行きましたか?お仏壇がない家が増えていますが、亡くなった方を思い出してあげていますか?命日やお盆・お彼岸はきっかけです。
そして、菊の花は高貴な花なんです。病院には・お祝いには・プレゼントには、なんて言葉がよくいわれていますが、本当にそうなの?と思います。いま一度思い直してみてください。
ただ、花を贈るだけではなく想い(花言葉)も一緒に贈ってみませんか?
花言葉を一緒に伝えるも良し、花だけを渡すのも良し。
花というモノをプレゼントするのではなく、
花をプレゼントするキモチが、
フラワーギフトなんです。