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菊と聞くと、どんなイメージがありますか?
「お墓参りの花」
「お葬式に使う花」
「仏花」
そんなイメージを持っている方も多いと思います。
でも花屋としては、ちょっともったいない。
菊は決して「不吉な花」ではありません。
むしろ古くから高貴な花として大切にされ、長寿を願う行事にも使われてきた、日本人と非常に関わりの深い花です。
そして現在では、ピンポンマムやスプレーマムなど、「これも菊なの?」と思うほどかわいい品種もたくさんあります。
今回は花屋の目線から、菊の花言葉と「菊=不吉」というイメージについて考えてみます。
菊の花言葉
菊には、古くからさまざまな花言葉がつけられてきました。
代表的なものとして知られているのが、「高貴」「高尚」など。
菊は日本の皇室とも深い関わりを持つ花です。
身近なところでは、50円硬貨にも菊の花が描かれています。
お葬式で見る機会が多いため暗いイメージを持たれることがありますが、本来の菊には「格の高い花」という一面があります。
色によって違う菊の花言葉
赤い菊
赤い菊には、海外の古い花言葉で「私はあなたを愛する」という意味がつけられています。
「菊なのに愛の花言葉?」と思うかもしれません。
でも、真っ赤なマムを実際に見てみると、とても華やか。洋花と合わせればお祝いの花束にも十分使える花です。
白い菊
白い菊には「真実」という花言葉があります。
日本では白菊がお供えや葬儀に使われることが多いため、特に弔事のイメージが強い色かもしれません。
しかし、白い花そのものが不吉なのではありません。
黄色い菊
黄色い菊には、海外の古い花言葉で「冷遇された愛情」など、少し寂しい意味がつけられている例があります。
とはいえ、花言葉だけで「黄色い菊は贈ってはいけない」と考える必要はないでしょう。
黄色いマムは明るく存在感があり、アレンジメントでも非常に使いやすい花です。
そもそも菊は不吉な花なの?
菊そのものが不吉なわけではありません。
日本では、お葬式・お盆・お彼岸・お墓参りなどで菊を目にする機会が多いため、いつの間にか
「菊=お葬式」
「菊=亡くなった人に供える花」
というイメージが強くなったのだと思います。
実際、花屋をしていると、お祝いのアレンジメントに菊を使った際に
「これ、菊ですよね?」
と言われることがあります。
でも、菊は花もちもよく、品種も豊富で、とても魅力的な切り花です。
「葬儀で使われるから不吉」という理由だけで避けてしまうには、あまりにも惜しい花です。
なぜ菊は葬儀やお墓参りに使われるの?
菊は花もちがよく、美しい状態を長く保ちやすい花です。
また、日本では古くから親しまれ、格式のある花として扱われてきました。
そんな花だからこそ、大切な人を送る場面や、ご先祖様に花を供える場面にも使われてきたのでしょう。
つまり、
「葬儀に使うから不吉な花」ではなく、「大切な人に供えるほど大切にされてきた花」
と考えてみると、菊の見え方が少し変わってきませんか?
9月9日は「菊の節句」
9月9日は重陽(ちょうよう)の節句です。
桃の節句や端午の節句ほど知られていませんが、五節句のひとつです。
菊を愛でたり、菊を用いて長寿を願ったりすることから「菊の節句」とも呼ばれています。
菊が「縁起の悪い花」だけだったとしたら、長寿を願う節句の主役にはなりませんよね。
海外では母の日に菊を贈る国も
さらに面白いのが、菊に対するイメージは国によって違うことです。
オーストラリアでは、母の日に菊(Chrysanthemum)が贈られることがあります。
Chrysanthemumを短く「mum」と呼ぶことと、お母さんを意味する「Mum」をかけたものともいわれています。
日本では「母の日=カーネーション」というイメージがありますが、ところ変われば菊がお母さんへのプレゼントになる。
花のイメージは文化によって大きく変わるということですね。
今の菊は、とにかく種類が豊富
昔ながらの大輪菊だけをイメージしているなら、ぜひ今の花屋に並ぶ菊を見てほしいです。
丸くてかわいいピンポンマム、小さな花をたくさん咲かせるスプレーマム、グリーン、ピンク、オレンジ、複色など、色も咲き方も驚くほど豊富です。
「菊」と言われなければ気づかないような品種もあります。
花屋にとって菊は、仏花だけの花ではありません。
かわいい。かっこいい。花もちがいい。そして種類がものすごく多い。
かなり優秀な花です。
菊を誕生日やお祝いに贈ってもいい?
もちろん使えます。
ただし、日本では今でも「菊=仏花」というイメージを持っている方がいるのも事実です。
そのため、相手の好みや年代、贈るシーンを考えることは大切です。
例えば、ピンポンマムや洋菊をバラや季節の花と組み合わせると、「仏花」という印象はかなり変わります。
大切なのは、菊だからダメ、ではなく、誰にどんな気持ちでどんな花を贈るか。
それを考えることだと思います。
花屋から伝えたいこと
菊は、お葬式にも使われます。
お墓にも供えます。
でも、それだけの花ではありません。
長寿を願い、高貴な花として大切にされ、現在では世界中でさまざまな品種が楽しまれています。
花屋をしていると、
「病院にはこの花はダメ」
「お祝いにはこの花はダメ」
「プレゼントに菊はダメ」
という話を耳にすることがあります。
もちろん、相手への配慮は必要です。
でも、昔からのイメージだけで素敵な花を選択肢から外してしまうのは、少しもったいないとも思っています。
菊は不吉な花ではありません。
むしろ、大切な人を送るときにも選ばれてきたほど、日本人が大切にしてきた花です。
そして今の菊は、驚くほど自由で、かわいくて、かっこいい。
花屋で気になる菊を見つけたら、ぜひ一度手に取ってみてください。
まとめ|菊は「お供えだけの花」じゃない
菊には「高貴」「高尚」などの花言葉があり、色によってもさまざまな意味が伝えられています。
お盆やお彼岸、葬儀でよく使われるため弔事のイメージが強くなりましたが、菊そのものが不吉な花というわけではありません。
お供えにも使える。
お祝いにも使える。
部屋に飾ってもいい。
用途を決めるのは花ではなく、花を贈る人の気持ちなのかもしれません。
ただ花という「モノ」を贈るのではなく、そこに込めた気持ちまで届ける。
それがフラワーギフトなんだと思います。




