もらったバラの花束。
せっかくなら、できるだけ長く楽しみたいですよね。
「10円玉を入れると長持ちする」
「漂白剤を入れるといい」
「家庭用洗剤を少し入れるといい」
切り花を長持ちさせる方法は、昔からいろいろ言われています。
でも、本当に効果があるのでしょうか?
そこで茨城県ひたちなか市の無敵の花屋 花かんざしが、実際のバラを使って比較してみました。
真夏に11日間。
花屋が実際に試した、バラの花もち実験です。

目次
バラを長持ちさせる6つの方法を比較
今回試したのはこちらの6パターンです。
- 切花栄養剤(最初だけ入れて、水替え・切り戻しなし)
- 水道水のみ
- 10円玉
- 切花栄養剤(水替え・切り戻しあり)
- 家庭用洗剤
- 漂白剤
切花栄養剤にはクリザールを使用しました。
実験場所は直射日光が当たらず、エアコンの風も直接当たらない室内です。
基本的に2日に1回、水替えと切り戻しを行い、水の量も同じにしました。
※今回使用したバラは、入荷後1日間、花屋用の切花栄養剤を吸わせて水揚げしたものです。
バラの花もち実験スタート
1日目|まだ全部きれい

2019年7月13日、実験開始。
最高気温27.6℃、最低気温19.1℃。
スタート時点では、もちろん大きな違いはありません。
左から「切花栄養剤(水替えなし)」「水道水」「10円玉」「切花栄養剤」「家庭用洗剤」「漂白剤」の順です。
2日目|まだほとんど差はなし

最高気温23.4℃、最低気温20.2℃。
まだ大きな違いは見られません。
この段階では「結局どれも同じなのでは?」という感じです。
3日目|まだ勝負は分からない

最高気温23.3℃、最低気温19.3℃。
3日目も大きな変化はありません。
ところが翌日から、少しずつ差が出始めます。
4日目|家庭用洗剤と漂白剤に異変

最高気温25.0℃、最低気温19.0℃。
家庭用洗剤と漂白剤を入れたバラが、ダランとしてきました。
殺菌効果を期待していましたが、今回の実験では早い段階で水下がりが起こりました。
そこで、この2本だけ急遽、水切りをして様子を見ることにしました。
5日目|栄養剤を入れっぱなしのバラが咲いてきた

最高気温26.5℃、最低気温20.7℃。
水下がりが激しい2本以外は、まだ元気です。
面白いのは、最初に切花栄養剤を入れて、その後は水替えも切り戻しもしていないバラ。
花が開いてきました。
6日目|漂白剤のバラが水切りで復活

最高気温26.2℃、最低気温20.3℃。
水下がりしていた漂白剤のバラを水切りしたところ、なんとか復活しました。
バラが下を向いてしまっても、水をうまく吸えていないだけなら、水揚げをやり直すことで回復する場合があります。
7日目|最高気温31.8℃

最高気温31.8℃、最低気温23.1℃。
実験開始後、初めて最高気温が30℃を超えました。
そして意外にも、家庭用洗剤と漂白剤が先に脱落。
「殺菌できるものを入れれば長持ちする」というほど、切り花は単純ではないようです。
8日目|一気にベントネック発生

最高気温29.5℃、最低気温23.6℃。
前日の暑さの影響もあって、一気に水下がりが起きました。
バラの花首がテロンと下を向いています。
このように花首から曲がってしまう状態を「ベントネック」と呼びます。
9日目|残ったバラにも差が出てきた

最高気温24.1℃、最低気温21.7℃。
ここまで来ると、それぞれのバラの状態にはっきりと差が見えるようになりました。
10日目|まさかの10円玉

最高気温23.8℃、最低気温20.2℃。
今回の実験で面白い結果が出ました。
10日目の時点では、切花栄養剤よりも10円玉を入れたバラが残りました。

ただし、この1回の実験だけで「10円玉の方が切花栄養剤より優秀」と結論づけることはできません。
バラの個体差や品種、温度、水質などによっても結果は変わります。
それでも、昔から言われている「花瓶に10円玉」がここまで健闘したのは面白い結果でした。
11日目|実験終了

最高気温27.3℃、最低気温22.0℃。
すべてのバラに水下がりが見られたため、11日目で実験終了です。
7日目に30℃を超える高温となり、その後一気に状態が変化しました。
夏の高温が切り花にとって厳しいことも、よく分かる実験になりました。
実験結果|バラを長持ちさせた方法は?
今回の11日間の実験では、10円玉を入れたものと切花栄養剤を使ったものが比較的長く花もちしました。
また、特別なものを入れていない水道水のみのバラもかなり健闘しました。
一方、家庭用洗剤と漂白剤は、今回の条件では早い段階で水下がりが見られました。
ここで大切なのは、今回の多くのバラは2日に1回、水替えと切り戻しをしていたということです。
「水に何を入れるか」だけでなく、水を清潔に保ち、茎を切り戻すという基本のお手入れも重要です。
※2019年7月に当店で行った比較実験です。バラの品種、個体差、気温、水質などによって結果は変わります。
なぜバラは水があるのに萎れるの?
花瓶には水が入っているのに、バラが下を向いてしまうことがあります。
切り花は、水があるだけでは十分ではありません。
茎から水を吸い上げられなくなると、水不足になってしまいます。
水の中で微生物が増えたり、茎の切り口が詰まったりすると、水を吸い上げにくくなる原因になります。
だからこそ、花瓶と水を清潔に保ち、茎の切り口を新しくしてあげることが大切です。
バラが下を向いたら「水切り」をしてみよう
バラの元気がなくなってきたら、茎を少し切り戻して水揚げをやり直してみましょう。
花かんざしでおすすめしているのが、水の中で茎を切る「水切り」です。

切れ味の良いハサミやナイフを使って、茎を斜めにカットします。
水中で切ることで、切り口から空気が入りにくい状態で水揚げをやり直せます。

水切りの際にバラを横に寝かせ、水揚げする方法もあります。
花首が少し下を向いた程度なら、水揚げをやり直すことで回復することがあります。
花屋がすすめるバラを長持ちさせる方法
今回の実験からも、家庭でバラを長く楽しむなら「裏技」だけに頼るより、基本のお手入れが大切だと考えています。
- 花瓶をきれいに洗う
- 水に浸かる葉を取り除く
- 水を清潔に保つ
- 茎を定期的に切り戻す
- 直射日光を避ける
- エアコンの風を直接当てない
- 暑い場所を避ける
- 必要に応じて切花栄養剤を使う
特別な裏技より、まず基本のお手入れ。
10円玉を入れるとバラは長持ちする?
今回の実験では、10円玉を入れたバラが予想以上に健闘しました。
だからといって、「バラには絶対に10円玉を入れた方がいい」という意味ではありません。
あくまで今回の条件で得られたひとつの結果です。
家庭でバラを長持ちさせるなら、まずは清潔な花瓶・水替え・切り戻しを基本にして、必要に応じて切花栄養剤を使うのがおすすめです。
バラを長持ちさせたいなら「買う前」も大切
最後に、花屋だからこそ伝えておきたいことがあります。
花もちは、もらった後のお手入れだけで決まるわけではありません。
切り花は、株から切られた瞬間から時間が進んでいます。
誕生日、結婚記念日、プロポーズなど、大切な日にバラを贈るなら、できれば事前に花屋へ予約してください。
予約していただければ、その日のためにバラを準備しやすくなります。
当日たまたま店頭にあるバラを束ねるのと、贈る日に合わせて準備するのでは意味が少し違います。
特別は急にはつくれない。本気の花は予約から。
まとめ|バラを長持ちさせるなら基本のお手入れから
今回は、水道水、10円玉、切花栄養剤、家庭用洗剤、漂白剤などを使って、真夏に11日間の花もち実験を行いました。
10円玉が予想以上に健闘するという面白い結果になりましたが、一番伝えたいのはそこではありません。
清潔な花瓶、水替え、切り戻し、そして温度管理。
まずは、この基本を大切にしてください。
せっかく誰かがあなたのために選んでくれたバラ。
少しだけ手をかけて、できるだけ長く楽しんでみてください。
茨城県ひたちなか市の無敵の花屋 花かんざしでは、誕生日・記念日・プロポーズなど、ご用途に合わせたバラの花束もご予約いただけます。




