バラの花って1輪でももらえると嬉しいですよね。本数や色によっても想いが込められているかもしれません。
もらったバラを長く飾っておきたいですよね。昔から都市伝説的に伝えられてきた花もち方法が有効なのか検証します。
やっぱり、夏の切り花は花もちが悪くなります。冬の1/3ぐらいしかもちません。
今回は、夏に切り花のバラを長く楽しめる方法を探っていきます。もちろん切花栄養剤はもちましたが、まさかの1位は水道水⁉
切り花の花もち
真夏の花もち方法
お花がもたないのはやっぱり夏。なにかお花がもつ方法ないかな~と皆さん思っています。
いろいろと言われている方法を、好きな人の多いバラで検証していこうと思います。
- 切花栄養剤(水替え・切り戻しなし) 切花栄養剤は、いつまで効果があるのか?
- 水道水のみ 水切りだけで、どこまでもつのか?
- 10円玉 銅イオンの殺菌効果
- 切花栄養剤 一番優秀でなければいけません
- 家庭用洗剤 殺菌効果と界面活性剤の効果
- 漂白剤 殺菌効果
※今回のバラは入荷して1日間、花屋用の切花栄養剤を吸わせて水揚げをしています。もちろん、生産者の所で生産者用の切花栄養剤を吸わせています。
今回の切花栄養剤は、クリザールを使いました。
検証開始(1日目)
直射日光の当たらない・エアコンの風が直接当たらない場所(玄関)で、基本的に2日に1度水替え・切り戻しをします。すべて水の量は同じにして、水替えの時に水を新しくします。※最初に切花栄養剤を入れただけのモノもあり。
本日の最高気温 27.6℃ 最低気温 19.1℃
2日目
左から
- 切花栄養剤(水替え・切り戻しなし)
- 水道水のみ
- 10円玉
- 切花栄養剤
- 家庭用洗剤
- 漂白剤
本日の最高気温 23.4℃ 最低気温 20.2℃
3日目
左から
- 切花栄養剤(水替え・切り戻しなし)
- 水道水のみ
- 10円玉
- 切花栄養剤
- 家庭用洗剤
- 漂白剤
本日の最高気温 23.3℃ 最低気温 19.3℃
4日目
家庭用洗剤と漂白剤がダランとしてきました。急遽、その2つだけ水切りをしました。
2019.07/16 朝
本日の最高気温 25.0℃ 最低気温 19.0℃
5日目
水下がりが激しい2本以外は全然大丈夫です。なぜか、切花栄養剤を最初にだけ入れて切り戻しなし花瓶のバラは咲いてきました。
本日の最高気温 26.5℃ 最低気温 20.7℃
6日目
左から
- 切花栄養剤(水替え・切り戻しなし)
- 水道水のみ
- 10円玉
- 切花栄養剤
- 家庭用洗剤
- 漂白剤
本日の最高気温 26.2℃ 最低気温 20.3℃
漂白剤のバラを急遽、水切りをしたらなんとか復活しました。
7日目
左から
- 切花栄養剤(水替え・切り戻しなし)
- 水道水のみ
- 10円玉
- 切花栄養剤
- 家庭用洗剤
- 漂白剤
本日の最高気温 31.8℃ 最低気温 23.1℃
意外に効果があると思われていた家庭用洗剤や漂白剤が先に脱落しました。
8日目
左から
- 切花栄養剤(水替え・切り戻しなし)
- 水道水のみ
- 10円玉
- 切花栄養剤
- 家庭用洗剤
- 漂白剤
本日の最高気温 29.5℃ 最低気温 23.6℃
昨日の昼の気温が高かったので、一気に水下がりがおきました。このように首の所からテロんと曲がる事をベントネックといいます。
9日目
左から
- 切花栄養剤(水替え・切り戻しなし)
- 水道水のみ
- 10円玉
- 切花栄養剤
- 家庭用洗剤
- 漂白剤
本日の最高気温 24.1℃ 最低気温 21.7℃
10日目
左から
- 切花栄養剤(水替え・切り戻しなし)
- 水道水のみ
- 10円玉
- 切花栄養剤
- 家庭用洗剤
- 漂白剤
本日の最高気温 23.8℃ 最低気温 20.2℃
意外にも切花栄養剤より10円玉がもちました。
11日目
左から
- 切花栄養剤(水替え・切り戻しなし)
- 水道水のみ
- 10円玉
- 切花栄養剤
- 家庭用洗剤
- 漂白剤
本日の最高気温 27.3℃ 最低気温 22.0℃
すべて水がさがり今回の実験は終了します。7日目の昼間に30℃をこす高温になったので、一気に水がさがった気がします。
花もち実験の結果
急激な高温もありましたが切花栄養剤入りと10円玉の3方法が花もちしました。家庭用洗剤は早々と水がさがり葉っぱも枯れてしまいました。
まさかは10円玉でした。水道水のみの方法も大健闘です。
冬だとまた結果が変わってくると思います。
切り花が枯れてしまう原因
切り花が枯れてしまう原因は、切り花が水を吸えなくなって水不足になってしまうからです。花瓶には水が入っていても吸えなければ意味がありません。
植物自体にバクテリアはついており、水の中でどんどん増殖して茎の切り口に詰まってしまいます。植物の水の通り道(導管)に詰まって、水を吸えずに水不足になるのです(導管閉塞といいます)
なので、バクテリアを増やさないということが、お花の長もちのポイントなんです。
水の量
水の量は多めが良いよと昔は言っていました。水圧で水揚げが促進するという理論です。
しかし、ガーベラは水の量を少なくした方が花もちします。切花栄養剤には水揚げの促進効果があるので、少量の水でも水揚げをします。
ただ、注意したいのは水がなくなってしまう事です。ヒマワリのようにたくさん水を飲む花もありますので、少し多めな方が水不足にならないのかもしれません。
栄養分のはなし
たまに、ガムシロップを入れると良いという話を聞きます。蕾の中の花弁を作るのに糖分が必要です。けっこう甘党らしいです。
それ以前に夏場の花の蕾には、暖かいので花弁が十分に作られているので必要はないと思います。冬場は寒くて花弁が十分に作られる前の蕾で切ってしまうため、蕾の中の花弁を作るために糖分が必要となります。
切り戻しにもポイントあり
切り戻しの時に、空中で切る【空切り】するより、水中で切る【水切り】した方が水揚がりが良いです。水中で切ることにより、導管の中に空気を入れずに切り戻しができスッと水が揚がっていきます。
※また、水切りの時に花を横に寝かせると重力軽減で水揚げがよくなります。
まとめ
夏場の切り花を長くもたせる方法は、昔からいろいろと言われてきました。もちろん、今では切花栄養剤が販売されていて、それが花もちに手っ取り早いです。
今回の場合は、10円玉入りと切花栄養剤入りが花もちしました。水道水のみもなかなか健闘しました。
もちろん、2日毎の水替え・切り戻しをしたおかげです。切花栄養剤を最初にだけ入れた方法は水道水のみで水替え・切り戻しをしたものよりもちました。
家庭用洗剤と漂白剤が予想外に花もちしませんでした。家庭用洗剤は水も濁って水揚げも悪くて論外ですね。
切り花は株から切った瞬間から寿命が始まります。贈りものの花を長く楽しんでもらいたいのなら、事前に予約しましょう。
※ちなみに蕾の花が1番花もちが良いわけではありません。夏だって咲かない蕾はあります。