文豪ヘミングウェイが愛したハーブのカクテル『モヒート』その本場、キューバで使われているハーブが、このイエルバ ブエナ-HIERBA BUENA-。良い草・良いハーブという意味で、キューバミントとも呼ばれています。
モヒートというカクテルは、ラムに炭酸水をベースとした冷たいカクテルです。ミントの葉っぱとライムを入れて飲むので、夏のお酒の定番になってきています。
飲み屋さんでは、夏場は「とりあえずビール」「とりあえずハイボール」そして「とりあえずモヒート」がよく聞こえてくるようになってきました。
そんなモヒートのミント「イエルバ ブエナ」は、なかなか売っていないんです。。。育て方が他のミントとは違う気がするので、その辺も含めて育て方blogを書いていこうと思います。
目次
ミント
- 別名 :ハッカ・西洋ハッカ
- 科名属名:シソ科ハッカ属
- 園芸分類:耐寒性多年草
- 原産地 :アジア・アフリカ・ヨーロッパの湿帯地域
- 花期 :6~8月
- 植え時 :3~5月・9~10月
ミントには、ペパーミントやスペアミント、ジンジャーミントにベルガモットミントやリンゴの香りがするアップルミント、パイナップルの香りがパイナップルミント、キューバ原産のイエルバブエナなどさまざまな種類があります。
イエルバブエナの利用方法
ミントの香りは、チュウインガムやキャンディー、アイスクリームなどのほか、歯磨き剤としてもおなじみです。その他にもペパーミントやスペアミントは、ミントティーやお菓子として人気も高いです。
カクテルのモヒートにもミントの葉っぱが使われます。モヒートの作り方は、ライムを絞り、イエルバブエナと砂糖をいれ優しく潰し、ホワイトラムとソーダとクラッシュアイスを軽く混ぜて完成です。
イエルバブエナの香りの特徴は、スッと強めの清涼感で刺激的です。ワイルドな感じと表現されています。
イエルバブエナの育て方と8個のコツ
- 基本的に暑さ寒さに強い植物です。強い霜にあたると葉っぱが枯れたり黒ずんだりします。
- 湿気は大好きだけど、蒸れに弱い。夕立とその後の西日とか最悪です。
- 乾燥は苦手です。冬に枯れた原因はこれでした。
- 繫殖力が凄いので、すぐに根っこが回ります。そして、鉢底から根っこを出して繫殖しようとします。
- 5月頃からハダニの吸害に注意。葉っぱが汚くなり、モヒートに向かない見た目に。。
- 伸びた茎を横に這わせるようにすると、一気に増やせます。地下茎も横に伸ばします。
- 新しく株を増やすなら挿し木がオススメ。水挿しでも根っこが出てきます。
- 種で増やすのはオススメしません。種からだと香りが弱かったり、他の品種のミントと交配してしまう可能性があります。
ミント全体の花言葉
美徳・効能です。ミントの薬効に由来するといわれています。
- スペアミントの花言葉
感情のあたたかさ
- ペパーミントの花言葉
気分のあたたかさ
イエルバ ブエナの3年間の栽培日記
今の日本でモヒートに使われているミントはスペアミントが多いのではないだろうか。イエルバ ブエナは、スペアミントパイナップルミントの交配種のミントです。
※ミントは交雑しやすいので、イエルバ ブエナだけを栽培したいなら単独で育てた方がいいです。
イエルバブエナ1年目
近くではなかなか売ってなく、大量にもいらなかったのでネットで見つけました。(2018.05.03)
元気な苗が届きました。6株中4株は、植物好きの先輩たちのもとへ旅立ちました。
1.定植と水耕栽培
気温も十分上がってきたので(2018.05.15)ビニールポットから植木鉢に。ミントの繫殖力をみこして大きな植木鉢にうえました。本当は大きな植木鉢に急に鉢上げするのは、水やりの関係上で良くないです。
ミントの繫殖力はすごくて、水に切った枝をさしておくだけで根っこが出てきます。出てきたら植木鉢の空いているところに植えて一気にモリモリにしようとおもいます。水耕栽培でも育てられます。
2.発根
水に付けておいたミントが発根しました。(2018.05.21)
3.発根したイエルバブエナを鉢上げしました。(2018.05.30)
4.伸びてきた茎を倒してピンで固定しました
ミントは茎で増えていく植物で、地下に地下茎(ちかけい)という茎を伸ばしてそこから根っこをだして増えていきます。これで一気に芽を増やせます。(2018.05.30)
ピンと言っても、太い洋ラン専用の針金をUピンみたいに曲げてつくったものです。堅い針金なので、切るのは大変でしたがしっかりと固定できます。
5.茎の節から芽吹いてきました(2018.06.12)
6.葉っぱに異変が…
葉っぱに白や黄色の斑点(かすり状)が出てきてしまいました。この症状は、ハダニだと思うので殺ダニ剤を散布しました。Good Joker様にて(2018.06/16)
7.モヒートには先端の新芽の部分を使います。
倒したイエルバブエナの芽がわさわさ伸びてきたので、カットして水につけておきます(2018.06.25)
先端しか使わないモヒート用にどんどん増やしてBARや居酒屋へ。
8.そろそろ、モヒートの季節。
暑く熱い夏がやってきました。ひたちなか市のGood Joker様の脇では準備万端です。
茨城県ひたちなか市のGOOD JOKERへ
もちろん、イエルバ ブエナを使ったモヒートを飲みました。よくワイルドな感じの~って表現されますが、実際に飲んでみてわかりました。この強めの刺激感がワイルドなんだなと。家庭でやるのはちょっと大変な、サトウキビスティックが添えられていました。THE 夏を感じてきました。
9.9月になって寒空と猛暑が交互に
ちょっと伸びてきてしまったので、カット✂して脇芽を出そうと思ったら枯れてきてしまいました。まだ、少し芽は出てきていますが枯れてる枝もチラホラ。。
極端な暑さが苦手なようです。真夏は半日陰がいいみたいです。
困った時には、HB-101。それに、液体肥料を混ぜてあげてみました。(2018.09.10)
HB-101は、当店でも取扱があります。
10.復活!!!
11.11月。今年はまだまだ暖かく
まだ霜が降っていません。(2018.11.08) 新芽も出てきました。
12.2月14日バレンタインデー。
去年は暖かい冬かな~と思っていましたが、年が変わると寒いさむい。そんなこんなで、今の状況は夏に育った葉っぱが枯れました。しか~し、根元には子どもの葉っぱが(実際には子どもではないけど)。この場所は、日光もあたり・霜にもあたる場所です。
もう一つの西向き壁際に置いた日光は半日しか当たらず・霜も多少当たる所においたプランターは、新芽が出てない…春まで待ってみよう。
イエルバブエナ2年目
暑さ寒さも彼岸まで
春のお彼岸もすぎると新芽がたくさん出てきました。西向きのプランターも新芽が出ていました。今年もモヒートが飲めますね。
4月。枯れてしまったポット苗
手前の3株は、芽が出てきませんでした。冬場に水がきれて、枯れてしまったのだろうか。。
6月。またもや、ハダニにやられて葉っぱが かすり状に。
そろそろモヒートにも使うので強い薬品は使えません。再生能力と体質強化のために顆剤HB-101を散布します。
5月中にやっておくべきだと思いました。。。ミントは比較的に病害虫に侵されずらいと思っていましたが、ハダニの害が顕著に出ております。ハダニめ~(; ・`д・´) HB-101様、よろしくお願いします。
7月には復活?
新芽はハダニの害を受けていません。根元の方が。。。
3年目の挑戦
結局、去年もハダニにやられてしまいました。
今年こそはハダニをやっつけたいと、3月から防除開始。今年は暖冬でハダニの発生も早そうです。
ハダニは同じ殺虫剤を使っていると耐性ができてしまうので、いろいろな植物用ハダニ殺虫剤をそろえました。
3月2日 コテツフロアブル
コテツフロアブルを散布しました。
3月19日 モストップジン
前日に雨が降ったのでモストップジンをスプレーしました。
4月22日 マラソン乳剤&展着剤アイヤー
マラソン乳剤と展着剤アイヤーを混ぜて散布しました。世間はコロナウイルスで騒がしいですが、元気に新芽を伸ばしてきました。
5月25日 モストップジン
一部、葉っぱが虫に食べられた跡があったので、モストップジンを散布しました。なにも薬品をまいていない自宅のイエルバブエナには、ハダニがついていました。
6月12日 マラソン乳剤
そろそろ梅雨入りで、昨夜は雨でした。でも、昼間は晴れているので心配で見に来てみました。
はい、いました。レッドデビル、今まで悩まされてきたハ・ダ・ニ!!!虫の知らせで来てよかった。
今回は、マラソン乳剤。ササッと散布して殺虫しました。
なんだか生育が悪い部分があったので、液体肥料+HB101を混ぜて10L水やり。
実は、スペアミント(左)とイエルバブエナ(右)が一緒に植わっています。ハダニが付いていたのはスペアミントの方でした。
7月9日 大勢
まだまだ、梅雨があけていないです。ハダニの被害もなく、もりもり生えていました。
これでモヒート飲み放題です。
イエルバブエナの枯れた原因と防除方
夏場の過湿
お水が大好きなミントでも、高温多湿で茹で上がっちゃうのには弱いです。真夏の蒸し暑い時に、お水たっぷりでカンカン照りは溶けちゃったりします。
お水を控えめにして、東側の西日が当たらない場所に移動しましょう。
冬の水切れ
寒さにも強く、暑い方が得意なミントの枯れた原因は水切れかな?もちろん、夏は雨も降るしグッタリしていたら気が付きます。
問題は冬ですかね、冬の時期は休眠時期。雨も少なめで、葉っぱもあまり伸ばさないので水切れに気が付きずらいのではないだろうか。
実際、苗が枯れてしまって気付いたのは冬→春。凍るほど寒い日は少なかったはずですが、ずっと凍っていると水不足にもなってしまうのかな。
大きな植木鉢か地植えならこの問題も関東以南なら解決しそうです。
葉っぱがモザイクに
これが一番悩まされました。5月ぐらいから症状が出てくるハダニの吸害。
複数の薬剤で、定期的にローテーションで防除が必要です。根気強く対処していきましょう。
地中の虫
葉っぱが黄色くなってきてしまいました。う~ん、3年間植え替えしていないから根詰まりかな?
よ~く見ていると、葉っぱが動くぞ!まさかっ‼やっぱり!!!
少し根元を掘ってみると、出た~。コガネムシの幼虫が根っこを食べていました。
植木鉢の中にいるコガネムシの幼虫やアブラムシ、アオムシ、カイガラムシ、アザミウマ類なんかにも効くオルトランDXを撒きましょう。葉につく害虫から土の中の害虫まで同時に防除できます。
注意点は、撒いてから1ヵ月は薬効が残ります。モヒートには1ヵ月間使えなくなります。
葉っぱの食害
ミントは食害にあわないと思っていましたが、バッタに食べれれていました。小さなショウリョウバッタが沢山いました。
3年間のまとめ
2018年からはじめたキューバミント・イエルバブエナの栽培。ミントは性質は強いのでどんどん増えていきます。
性質を上手く利用すると、どんどん増やせて夏にはモヒート飲み放題です。
- しかし、毎年出てくる害虫ハダニによって葉っぱがまだら模様になってしまいました。春の頃からしっかりと防除しないといけません。
ハダニは薬品への耐性ができるので、たくさんの薬品を使う事をオススメします。最低3種類をローテーションして使いましょう。
- 高温多湿にも注意が必要です。強いミントも、高温多湿の蒸し風呂には耐えられませんでした。
- 水切れが枯れてしまう原因ではないかと思います。お水大好きミントくんは、水切れ注意ですね。
水に挿しておくと根っこを出します。
- 植木鉢栽培の場合は、コガネムシの幼虫にも注意が必要です。他の植木も急に枯れてきてしまったという時は、この原因を疑ってみてもいいと思います。
※薬剤を使った時は、使用回数と使用時期を確認して使いましょう。容器や袋に書いてあります。
植物の栽培について
「花は枯れるから嫌い」「わたしサボテンも枯らしちゃう人だから~」なんて良く耳にしますが、難しいからこそおもしろみがあるのが植物です。ポイントが分かれば難しくもありません。
ちょっと枯れてきたら
➀まずは環境。気温は寒いか、暑いか。日光は足りてるか、多いか。ほとんどの植物は真夏の強光と真冬の霜は苦手です。
②次に水やり。少なすぎるのは分かりやすいです。枝が垂れてきたり、葉っぱがチリチリになったり。多すぎるのは分かりにくいです。
根腐れ(ねぐされ)を起こすと土は湿っているのに急に元気がなくなります。○○専用の土というのは、その植物が欲しい量の水分を保持しやすく作られています。あとは、酸性・アルカリ性というのもあります。
③肥料不足で枯れるのは、あまり起きない。元気がないから慌てて肥料というのが、一番良くないです。
肥料はご飯。成長するのに必要ですが、病人にたくさん焼肉を食べさせますか?適した場所でゆっくり治してから、焼肉ですよね。
④害虫には注意が必要です。葉っぱを食べる害虫から、根っこを食べる害虫までいます。
見えない害虫には困りますよね。花屋さんに聞いてもわかりずらいんです。
かわいいから買って帰ろうという動機は良いですが、生き物なのでそれからも一緒に暮らしましょう。人だって、動物だって苦手な環境があるように、植物にだってあります。適した環境でイキイキ育てば肌のツヤだって出てきます。
植物は話せません。でも、葉っぱや枝で状態を伝えてくれます。何もしゃべらないので、気持ちをくみとってあげましょう。
あとは、信頼できる花屋さんを見つけておくことです。
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