もらった花束や、お気に入りの花。
「このまま捨ててしまうのはもったいない」
「ドライフラワーにして、もう少し長く楽しめないかな?」
そんな時は、自宅でもドライフラワーを作ることができます。

ただし、花なら何でも吊るしておけばきれいなドライフラワーになるわけではありません。
花の種類、乾燥させる方法、そして乾燥するスピードによって、色や形の残り方はかなり変わります。
この記事では、茨城県ひたちなか市の無敵の花屋 花かんざしが、実際にいろいろな方法を試してきた経験から、ドライフラワーの作り方をご紹介します。
シリカゲルはもちろん、乾燥機、ドライ・イン・ウォーター、さらには真夏の車内で本当にドライフラワーになるのか?という実験までやっています。
目次
ドライフラワーをきれいに作る一番のコツ
最初に、いちばん大切なことから。
きれいなドライフラワーを作るコツは「新鮮なうちに、できるだけ早く乾燥させること」です。
「せっかくだから生花でギリギリまで楽しんで、しおれてきたらドライフラワーにしよう」
そう考えたくなりますが、きれいに残したい場合は逆です。
花がしおれてから乾燥させても、元のきれいな状態には戻りません。
ドライフラワーとして残したいと思ったら、まだ花がきれいなうちに加工を始める。
そして、なるべく短時間で水分を抜く。
これが色を残しやすくする大きなポイントです。
ドライフラワーの作り方は主に6種類
ドライフラワーには、いくつかの作り方があります。
- ハンギング法
- ドライ・イン・ウォーター法
- シリカゲル法
- 乾燥機法
- 真夏の車内乾燥法
- グリセリン法
それぞれ仕上がりや向いている花が違います。
実際に試した写真と一緒に見ていきましょう。
① 一番簡単な「ハンギング法」

家庭で一番簡単なのが、花を逆さに吊るして乾燥させるハンギング法です。
昔からある方法ですが、現在でもドライフラワー作りの基本です。
ハンギング法の作り方
- 余分な葉を取り除く
- 花を1本〜数本ずつ束ねる
- 逆さに吊るす
- 直射日光を避ける
- 風通しのよい場所で乾燥させる
たくさんの花を一度に束ねると、中心部分の水分が抜けにくくなります。
少量ずつ分けて吊るすのがおすすめです。
スターチス、カスミソウ、貝細工、ユーカリ、ネイティブフラワーなど、もともと水分量の少ない植物は比較的きれいに仕上がります。
ネイティブフラワーはドライに向いている

オーストラリアや南アフリカなどを原産とするネイティブフラワーには、花や葉がしっかりしたものが多く、ドライフラワーに向いています。
個性的な形も残りやすいので、スワッグなどにもよく使われます。
バラは吊るすだけでもドライになる?
バラを逆さに吊るす方法は有名です。
もちろんドライフラワーになりますが、自然乾燥では色が濃くなったり、茶色っぽくなったりすることがあります。
色や花の形をできるだけ残したい場合は、後ほど紹介するシリカゲル法がおすすめです。
② ドライ・イン・ウォーター法

花瓶に少量の水を入れ、花に水を吸わせながら徐々に乾燥させる方法です。
逆さに吊るさないため、花の形を自然な状態で残せる場合があります。
ただし、花によって向き不向きがあり、乾燥にも時間がかかります。
花かんざしでも試しましたが、初めてドライフラワーを作るなら、個人的にはハンギング法の方がおすすめです。
③ 色をきれいに残すなら「シリカゲル法」
色や花の形をできるだけ残したいなら、ドライフラワー用のシリカゲルを使う方法があります。
こちらが加工前のバラ。

密閉容器にドライフラワー用のシリカゲルを入れ、花を埋めていきます。

乾燥すると、このようになります。

シリカゲル法の作り方
- 密閉できる容器の底にドライフラワー用シリカゲルを敷く
- 新鮮な花を入れる
- 花びらの隙間にも少しずつシリカゲルを入れる
- 花全体が隠れるまでシリカゲルを入れる
- 密閉して3〜5日程度乾燥させる
- 花を傷めないように取り出す
ポイントは、花びらの隙間にもシリカゲルを入れること。
隙間に水分が残ると乾燥ムラができやすくなります。
また、シリカゲル法でも新鮮な花を使うことが大切です。
しおれてから乾燥させても、きれいな状態には戻りません。
なお、乾燥すると生花の時より色が濃く見えることがあります。
④ 早く乾かす「乾燥機法」
ドライフラワーをきれいに作るうえで重要なのが、なるべく早く水分を抜くこと。
そこで、熱を利用して短時間で乾燥させる方法もあります。
花かんざしでも実際に試しました。
自然乾燥より短時間でパリッと乾燥させられるため、花色が比較的残りやすい場合があります。
家庭用の食品乾燥機などを利用する方法もありますが、高温にしすぎると花が傷んだり変色したりする可能性があります。
花の状態を確認しながら乾燥させてください。
⑤ 花屋が実験!真夏の車内でドライフラワーを作ってみた
ここからは、一般的な作り方というより花屋の実験です。
真夏の車内はかなり高温になります。
そこで思いました。
「この暑さを利用したら、ものすごく早くドライフラワーになるんじゃない?」
ということで、本当にやってみました。
実験スタート

車内に花を吊るして乾燥スタート。
1日後

わずか1日でも、かなり水分が抜けています。
2日後

2日後には、しっかりドライフラワーになりました。
「短時間で乾かす」という意味では面白い結果です。
ただし、真夏の車内は非常に高温になるため、通常のドライフラワー作りとして積極的におすすめする方法ではありません。
そして、もう一つ大きな問題があります。
車内がドライフラワー独特の匂いに包まれます。
実験としては面白いですが、愛車で試す場合はその点も覚悟してください。
⑥ グリセリン法
グリセリンを植物に吸わせて保存する方法もあります。
水分量の多い植物などに使われる方法ですが、花かんざしではシロタエギクで実際に試しました。
結果は……。
かなり柔らかい仕上がりになり、個人的にはあまり実用的とは感じませんでした。
植物によって向き不向きが大きい方法だと思います。
ドライフラワーになりやすい花は?
花びらや葉がしっかりしているもの、水分量の少ない植物は比較的ドライフラワーにしやすいです。
ここからは、実際の写真を見ながら紹介します。
バラ

バラはドライフラワーの定番です。
ハンギング法でも作れますが、色は濃くなりやすいので、色や形を重視するならシリカゲル法もおすすめです。
スターチス

ドライフラワー初心者にもおすすめ。
もともと水分量が少なく、色も比較的残りやすい花です。
貝細工(帝王貝細工)

花びらがカサカサと硬く、生花の状態でもドライフラワーのような質感があります。
そのため乾燥後も形や色が残りやすい植物です。
キングプロテア

存在感のあるネイティブフラワー。
花の構造がしっかりしているため、ドライになっても迫力があります。
バンクシア

こちらもネイティブフラワーの代表格。
個性的な形を長く楽しめます。
ピンクッション

名前の通り針山のような独特の形が特徴。
乾燥しても個性的なシルエットを楽しめます。
カスミソウ

吊るしておくだけでも乾燥しやすく、初心者にも扱いやすい花です。
スワッグやリースにも使いやすいですね。
スモークツリー

ふわふわとした独特の質感を楽しめます。
ユーカリ

葉物のドライフラワーの代表格です。
スワッグにも使いやすく、他のドライフラワーとの組み合わせにも向いています。
アジサイ

アジサイは切る時期が重要です。
咲き始めの水分量が多い時期よりも、花が成熟して水分が少なくなってきた頃の方がドライフラワーに向いています。
千日紅

丸い花の形と色が残りやすく、ドライフラワーに向いています。
カンガルーポー

独特の質感を持つオーストラリア原産の植物で、ドライフラワーにも向いています。
ミモザ

ドライフラワーやリースで人気のミモザ。
乾燥すると花が縮んだり落ちたりするため、きれいなうちに早めに乾燥させます。
アジサイを真っ白にする方法も試しました
さらに花かんざしでは、アジサイを漂白する実験もしました。
こちらが通常のアジサイのドライフラワー。

漂白すると、このような白いドライフラワーになります。

アナベルも白く加工できます。

通常のドライフラワーとは、また違った雰囲気になります。
ただし、漂白剤を濃くしすぎたり、長時間浸けすぎたりすると植物の組織が傷み、崩れることがあります。
試す場合は漂白剤の製品表示に従い、換気を行い、手袋を使用するなど安全に注意してください。
ドライフラワーに向かない花もある
残念ながら、どんな花でもきれいなドライフラワーになるわけではありません。
特に難しいのは、
- 水分量の多い花
- 柔らかい新芽
- 花びらが薄く傷みやすい花
- すでに傷み始めている花
などです。
花によっては、乾燥すると大きく縮んだり、茶色く変色したりします。
だからこそ、花に合った乾燥方法を選ぶことが大切です。
ドライフラワーはどのくらいで完成する?
乾燥するまでの日数は、花の種類、大きさ、湿度、気温、乾燥方法によって変わります。
シリカゲル法なら数日程度で仕上がることがありますが、ハンギング法ではさらに時間が必要です。
「○日経ったから完成」と決めるより、茎や花を触って水分がしっかり抜けているか確認してください。
完成したドライフラワーを長持ちさせるには
ドライフラワーは完成した後も、少しずつ退色していきます。
できるだけ長く楽しむなら、
- 直射日光を避ける
- 湿度の高い場所を避ける
- 風通しのよい場所に飾る
- 強く触らない
- 水をかけない
ことを意識してください。
特に直射日光は退色を早めます。
窓際の強い日差しが当たる場所より、室内の明るい日陰がおすすめです。
結局、どの作り方がおすすめ?
初めて作るなら、まずはハンギング法。
スターチス、カスミソウ、ユーカリ、千日紅、ネイティブフラワーなどは、吊るして乾燥させるだけでも比較的きれいに仕上がります。
バラなどの色や花の形をなるべく残したいなら、シリカゲル法。
大切なのは「ドライフラワーはこの方法」と一つに決めるのではなく、花によって乾燥方法を変えることです。
花屋だから「ドライフラワーになる花」で花束も作れます
花屋をしていると、
「もらった後にドライフラワーにしたい」
「長く残せる花をプレゼントしたい」
というご相談をいただくことがあります。
最初からドライフラワーになりやすい花を選んで花束を作れば、まず生花として楽しみ、その後ドライフラワーとしてもう一度楽しむこともできます。
ただし、花は季節やその日の仕入れによって入荷する種類が変わります。
ドライフラワーにしやすい花を使った花束をご希望の場合は、事前にご相談ください。
茨城県ひたちなか市の無敵の花屋 花かんざしでは、花束・アレンジメントはもちろん、植物や花の楽しみ方についてもご相談いただけます。
まとめ|ドライフラワーは「新鮮なうちに早く乾かす」
ドライフラワー作りは難しそうに見えますが、花と方法を選べば家庭でも楽しめます。
- 新鮮なうちに加工する
- なるべく早く乾燥させる
- 初心者ならハンギング法
- 色や形を残したいならシリカゲル法
- 水分量の少ない花ほどドライにしやすい
- 完成後は直射日光と湿気を避ける
そして、花は生花で楽しんで終わりではありません。
少し姿を変えながら、もう一度楽しめる。
それもドライフラワーの面白さだと思います。




