日本では、おじいちゃんの趣味ぐらいにしか思われていませんが、日本の「粋」や「わびさび」が創りあげた日本芸術です。今、海外で注目されている盆栽。
以前は、アメリカやヨーロッパで高く評価されていた盆栽(Bonsai)。今では、中国で高値で取引されています。
日本では、若者の間で流行ってきているミニ盆栽。ミニ盆栽の歴史は浅く、昭和初期に俳優の中村 是好が普及させました。
ルールや習わしは、人それぞれ主張するところもありますが、まずは始めてみましょう。
目次
盆栽(Bonsai)
草木を鉢に(盆栽鉢、盆器)に植えて、枝ぶり、葉姿、幹の肌、根及び鉢、もしくはその姿全体を観賞する趣味。自然の風景を模して造形するのが特徴である。
歴史
中国で唐の時代に行われてきた「盆景」が平安時代に日本へ入ってきて始まった。江戸時代になると盆栽の栽培が盛んになり、盆栽や園芸は興隆する。
出典:Wikipedia 盆栽
盆栽の大きさの種類
ミニ盆栽
小品盆栽
中品盆栽
大物盆栽
ミニ盆栽とは
手軽に始めやすい盆栽の入り口の様な存在。小さいながらも大木感があったり、時の経過の古木感があるものが良いとされています。
育て方
水やり方法
盆栽は、小さい盆栽鉢に植えるのが美学とされています。そのため植木鉢に入る土や水が少なくなるので、夏場は朝晩の水やりがあった方が良いです。
確実にしっかりと水やりをするなら、どぶづけがオススメ。お水を溜めて植木鉢ごとドボンと。
※水やりとは、水分を与える事と酸素を与える事なんです。水が通った跡に空気が入って根っこが呼吸します。
肥料のあげ方
肥料には植物を成長させる成分が入っていて、液体の肥料と固形の肥料があります。液体はすぐに効きますが長もちしません。固形は長く効きますが即効性はありません。
液体と固形を併用するのが1番良いですが、固形肥料の方が手間が少ないです。何事もラクに楽しくやっていくのが、長く続ける秘訣ですね。
盆栽は植木鉢ギリギリまで土を入れるので、ワイヤーを使ってこんな風に固定するといいです。
置き場所
酷暑以外の時期は、戸外がオススメです。日光を浴びて元気に育ちます。
もし、室内で楽しみたいのなら日光があたり、冷暖房の風が当たらない場所で育ててください。秋や冬に植え替えをしたなら、温室ハウスか室内で育てるのが好ましいです。
ミニ盆栽を作ってみよう
時期
3~4月が適期です。温室ハウスがあるなら周年可能ですが、酷暑や極寒の時は避けましょう。
植付
- まずは盆栽鉢の鉢穴に鉢底ネットをワイヤーで固定します。
- 盆栽固定用の針金を2本通しておきます。
- 次に植物の根っこを整理し、多すぎるようなら切ります。
- 盆栽鉢の中央に赤玉土中粒、小粒の順にで小さな山を作ります。
- 植物を作った山の上からグリグリと押し付け、固定用の針金をヤットコを使ってきつく固定します。
- 周りのすきまに赤玉土小粒を棒でつついて押し込んでいきます。
- 一度、霧吹きで赤玉土を湿らせて、その上に苔を貼ります。
これで、完成です。
苔を貼っておくとカッコはいいのですが、水やりのタイミングがわかりずらいです。もし、成長も楽しみたいのなら、苔の代わりに水苔を細かくしたモノを貼っておくと乾燥が防げて水やりのタイミングも分かりやすいのでオススメです。
ちなみに、展示会などの時には1ヶ月前ぐらいから苔をなじませます。
一気に大木感をだす
種から育てる実生だと何十年もかかる盆栽栽培も、取り木という方法で太い幹のミニ盆栽を作ることが出来ます。早い場合だと、春に作業をして秋には植えつけ出来ます。
盆栽に良く使われる杉の樹や松の樹。ヨーロッパの花言葉では、杉や松のような針葉樹は同じ花言葉なんです。
杉や松の花言葉
同情・あわれみ(イギリス)
聖母マリアが幼児のキリストを抱いて松の樹の下に隠れた時に、同情して枝を低く垂らし二人を隠したという伝説から。
長い間・長もちする感情(フランス)
松の樹が長命なこと。
光(フランス)
松明(たいまつ)になること。
大胆・冒険(フランス)
古代にはこの樹で船をつくったこと。ギリシアではこの樹が海神ポセイドンにささげられていたこと。
盆栽展示会場
茨城県植物園・展示場にて秋の盆栽展がおこなわれました。その様子を見てきました。
何十年もの時間をかけて、しっかりした技術で作り上げた作品でした。北関東では1番の盆栽展ではないでしょか。
展示協力:一般社団法人 日本盆栽協会 勝田支部(会員募集中)
まとめ
盆栽のルーツは中国にありますが、日本に入ってきて独自の文化を作っています。ミニ盆栽が良い例です。
大きな盆栽はもちろん立派ですが、長い年月がかかります。手軽にスタイリッシュに始められるミニ盆栽が、今の世の中にはあっています。
手軽なミニ盆栽ですが、奥が深くて色々な楽しみ方も出てきています。